ウイスキーが投資対象・高額商品になった現代、避けられない影が偽物と詐欺です。偽造ボトル、樽投資詐欺、フリマアプリの罠——被害に遭わないために、飲み手ができる自衛策があります。特別な鑑定知識がなくても実践できる、護身術をまとめます。

01 樽投資詐欺という罠

近年特に警戒すべきが、樽(カスク)投資詐欺です。「熟成中の樽を買えば値上がりする」と持ちかけ、実在しない樽の販売や、相場と乖離した価格、誇大な利回りを約束する——英国では当局が注意喚起を出すほど問題化しています(専用記事あり)。見分けるポイントは、「元本保証」「高利回り確約」を謳うもの、実在確認ができない樽、聞いたことのない業者からの勧誘。これらは詐欺の典型的なサインです。個人が守るべき原則は明快:「飲むために、実在を確認できる蒸溜所から直接買う」。投資話には近づかないのが一番です。

02 フリマ・個人売買の注意

フリマアプリや個人売買にも罠があります。①そもそも酒類の販売には免許が必要で、個人が反復継続して売るのは違法の可能性がある。②偽物・状態不良のリスクが高い。③トラブル時の保証がない。買う側としては、個人出品の高級ウイスキーは特に慎重に。写真だけでは真贋も状態も分からない。「掘り出し物」に見えても、リスクを考えれば正規ルートの方が結局安全で安心です。安さには理由があることが多い——その理由が「偽物」や「劣化品」でないと、どう確認できるか。それが問えないなら、手を出さないのが賢明です。

03 自衛の原則

偽物・詐欺から身を守る原則を、三つにまとめます。①信頼できる出どころから買う——正規店、公式、評価の確立した業者。②「うますぎる話」を疑う——相場より極端に安い、高利回り確約、これらは危険信号。③飲む値段で、飲むために買う——投機目的で高額品を追わなければ、詐欺の主戦場から離れられる(投資の記事参照)。この三原則を守れば、被害の大半は避けられます。ウイスキーは本来、飲んで楽しむもの。その原点に立てば、偽物や詐欺の世界とは無縁でいられるのです。高額化の影に惑わされず、健全に楽しみましょう。