バランタインは、スコッチブレンデッドの世界でジョニーウォーカーと双璧をなす名門です。1827年、ジョージ・バランタインがエディンバラで始めた食料品店から生まれたこのブランドの特徴は、ラインナップが「年数の長い階段」として整然と組まれていること。下から順に登ってみましょう。

01 ファイネスト — 千円台の教科書

階段の一段目「バランタイン ファイネスト」は、世界で最も売れているスコッチの一つです。年数表記なしのスタンダード品ながら、多数の原酒をブレンドしたバランス設計で、蜂蜜を思わせる甘やかさと滑らかさが持ち味とされます。千円台という価格からは想像しにくい完成度で、「安いスコッチの基準器」としてバーテンダーの信頼も厚い一本。ハイボールにすると香りの輪郭が立ち、この価格帯の実力議論では必ず名前が挙がります。

02 12年と17年 — 「ザ・スコッチ」の本丸

二段目の12年は、ファイネストの設計をより厚く滑らかにした贈答定番。そして三段目の17年こそ、バランタインの魂です。1937年に生まれたこの17年は「ザ・スコッチ」の異名を持ち、ブレンデッドの完成形として国際的な受賞歴を重ねてきました。バニラと花香、オークの気品が幾層にも重なる設計で、日本のオールドファンにも長年愛されています。キーモルトの一つとされるミルトンダフなど、スペイサイド系の華やかさが背骨——「17年を飲まずしてバランタインを語るな」がファンの合言葉です。

03 階段の使い方

実践的な提案です。まずファイネストのハイボールで入口を。気に入ったら12年をロックで、特別な日に17年をストレートで——同じ家系の年数違いを順に登ると、「熟成が味に何を足すのか」が一つのブランド内で体験できます。これはグレンフィディックの12→15→18と同じ、ブレンデッド版の縦の旅。じつは銘柄の数を増やすより、一つの階段を登り切る方が、舌は確実に育ちます。