スコットランド(専用記事)の隣、イングランドでも、ウイスキーが造られていることをご存じでしょうか。かつて途絶えていたイングランドのウイスキー造りが、21世紀に入って復活し、着実に実力を高めています。本場の隣国で目覚めた、新しい勢力。イングランドのウイスキー復興の物語を解説します。空白の一世紀を超えた、再興の話です。

01 途絶えていた伝統

実は、イングランドにもかつてウイスキー造りがありました。しかし、19世紀から20世紀にかけて、スコッチ(専用記事)の隆盛や産業の変化の中で、イングランドのウイスキー蒸溜所は姿を消し、100年以上もの長い空白期間が続いた。「ウイスキーはスコットランドとアイルランド(専用記事)のもの」という認識が定着し、イングランドは消費するばかりだった。ところが、21世紀に入り、この空白を破る動きが起こる。2000年代、イングランドで久々にウイスキー蒸溜所が誕生したのだ。長く途絶えていた伝統が、現代のクラフト(専用記事)ブームの中で、鮮やかに蘇った。イングランドのウイスキーは、まさに「復興」の物語なのです。

02 本場の隣という強み

イングランドのウイスキーには、「本場の隣」ならではの強みがあります。①技術の近さ——スコッチ(専用記事)の伝統と技術が、すぐ隣にある。学びやすい環境。②良質な原料——イングランドは大麦(専用記事)の産地でもあり、原料に恵まれる。③新規ゆえの自由——伝統に縛られず、革新的な試みができる。④英国内市場——ウイスキー文化が根づいた国内で、理解ある消費者に届けられる。本場スコットランドの技術を近くで学びつつ、新興ゆえの自由な発想で個性を追求できる——これが、イングランドの造り手の強み。伝統と革新の、良いとこ取りができる位置にある。だからこそ、短期間で品質を高められたのです。

03 再興の一杯

イングランドのウイスキー復興は、ウイスキーの世界が、伝統国の中でも新しく広がっていることを示しています。100年以上途絶えていた伝統が、現代のクラフトブームの中で蘇り、本場の隣で新しい実力を築いている。コッツウォルズをはじめとする造り手たちは、スコッチの技術を活かしつつ、イングランドならではの個性を追求する。台湾(専用記事)やインド(専用記事)のような遠い新興国だけでなく、本場のすぐ隣でも、新しいウイスキーが生まれている。ウイスキーの世界は、遠くでも近くでも、絶えず広がり続けている。機会があれば、ぜひイングランドの一杯を。本場の隣で目覚めた、再興の味わいを、確かめてみてください。