「シングルモルトのロールスロイス」「モルトの王」——スコットランド・スペイサイド(専用記事)のマッカランは、数あるシングルモルトの中でも別格の名声を誇ります。その味を支えるのは、シェリー樽(専用記事)への、他に類を見ない徹底したこだわり。豊潤で贅沢なその味の秘密と、蒸溜所の物語を深く解説します。ウイスキーの高級の代名詞、マッカランの世界です。

01 シェリー樽への執念

マッカランの味を決定づけるのは、シェリー樽です。多くの蒸溜所がコスト面からバーボン樽(専用記事)を主に使う中、マッカランは高価なシェリー樽に徹底的にこだわる。スペインのシェリー酒(専用記事)の生産者と提携し、樽材の選定、樽の製造、シェリーの熟成による「シーズニング」まで自ら管理する——樽への投資は、味への投資。この執念が、マッカラン独特の、濃厚で豊かな味を生む。「樽が味の大半を決める」(専用記事)というウイスキーの真理を、マッカランほど体現する蒸溜所はない。シェリー樽こそ、マッカランの魂なのです。

02 ブランドとしての戦略

マッカランは、味だけでなくブランド戦略でも突出しています。高級路線への徹底、アートやデザインとのコラボ(専用記事)、そして2018年に完成した近未来的な新蒸溜所——建築(専用記事)自体が観光名所になるほど。希少なヴィンテージ品はオークション(専用記事)で数千万円の値をつけ、投資対象(専用記事)としても注目される。「最高級のシングルモルト」というブランドイメージを、味・体験・希少性のすべてで構築している。マッカランは、ウイスキーが単なる酒を超えて、ラグジュアリーブランドになった好例なのです。

03 王の一杯

マッカランは、シングルモルトの一つの頂点です。シェリー樽への執念が生む豊潤な味、緻密なブランド戦略、世界的な名声——「モルトの王」の名にふさわしい存在感。もちろん、価格は高く、気軽に飲めるものばかりではない。しかし、比較的手に取りやすいレンジもあり、シェリー樽の魅力を知るには絶好の一本。特別な日に、あるいはウイスキーの高みを知りたいときに、マッカランを。その豊かで贅沢な味わいは、なぜこれが「王」と呼ばれるのかを、雄弁に語ってくれる。シングルモルトの一つの理想形が、ここにあります。