スコットランド最北、オークニー諸島の首都カークウォールに立つハイランドパークは、「世界最北のスコッチ蒸溜所」の称号を長く保持してきました(近年、より北の新設が話題になるまで)。この島の歴史はヴァイキングの歴史——ラベルの意匠も体系の名前も、北欧の血を誇っています。

01 個性の源 — ヘザーピートと自家製麦

ハイランドパークの煙は、アイラの煙と別物です。オークニーの泥炭は樹木が育たない島ゆえ、ヘザー(ヒースの花)を多く含む——これを焚いた麦芽の煙は、薬品ではなく「花の蜜を焦がしたような甘い燻香」になります。今も続く自家製麦(フロアモルティング)、シェリー樽主体の熟成、そして冷涼な最北の気候——「甘い煙と蜂蜜」という署名は、この三点セットの産物です。

02 12年と18年 — 二つの金字塔

基準の「12年 ヴァイキング・オナー」は、蜂蜜、ヘザーの燻香、オレンジ、シェリーの丸み——煙系とシェリー系の「両方のいいとこ取り」と評されるバランスの見本です。煙は主張しすぎず、甘さは重すぎない。そして「18年 ヴァイキング・プライド」は、国際的な専門誌の高評価歴を持つ同蒸溜所の金字塔——蜜蝋とダークチョコ、燻香が渾然となる円熟で、「世界のベストモルト」級の議論に常連として名が挙がります。

03 使いどころ

12年は「煙もシェリーも試したい」という欲張りな夜の最適解で、入門から常備まで幅広く機能します。18年は記念日のストレート枠。アイラの煙(海と薬品)とオークニーの煙(花と蜜)を並べる「煙の南北対決」は、ピートの多様性を一晩で理解できる名企画です。最北の島の風と、千年前の北欧の記憶を、グラス一杯で——物語込みで贈答にも強い家です。